日本最古の鉄道模型メーカー(創業1928年)のカワイモデルが今年の3月で廃業となりました。カワイモデルは日本初の純粋な鉄道模型専門誌である『模型鉄道』の創刊、また当時、近くにあった交通博物館内に系列の工房を置き、展示模型の製作の傍ら、見学に来た多くの子供たち向けの鉄道模型セットを売店内で販売するなど、鉄道模型の普及、啓蒙活動にも力を入れていました。
現在では若年層から年配層まで、実に幅広く鉄道模型を楽しむ人が増えましたが、その陰にはカワイモデルさんのご尽力があったことは想像に難くありません。
私共も鉄道模型に関わる者として、カワイモデルさんに心より感謝申し上げる次第です。お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。
私が幼稚園児の頃、所は横浜のデパートのおもちゃ売り場。ショーケース越しに幼い瞳に映ったのは151系こだまの模型。その優美な流線型に心を奪われ、たちまち虜に!しかし、父はその値段を見るや否や、私の手を引き、立ち去ったのでした。
その日から成人になるまで、151系の模型を製作販売しているカワイモデル・つぼみ堂・天賞堂のカタログを眺めるだけの追憶の日々が続きました。それから年月は過ぎ、いつしか、幼かった私の心に刻まれていたはずの、あの優美な流線型の模型への憧れは薄れていったのでした…
そんなある日の事、45歳になった私は娘の大学の卒業式に。その帰り道に突然、あの優美な流線型の模型が現れたのです。それは偶然に通りがかったカワイモデルの店舗前です。あの優美な流線型の151系のカワイモデルです。妻と娘を誘うように店内に入ると、左側のショーウィンドウに並ぶ151系が…
その瞬間にタイムトンネルの扉が開き、私の心は、あの頃の横浜のデパートのおもちゃ売り場に。カワイモデル店内で嬉しそうにショーウィンドウを見つめる私の姿は妻と娘には45歳の幼稚園児で、特に娘には初めて見る父親の表情だったようです。
今回は、〈カワイモデルに寄せて~45歳の幼稚園児~〉についてお届けしました。
次回に続きます。



